『メルトダウン 金融溶解』

副島隆彦の監訳。昨今の金融危機の根源を中央銀行制度に辿っていく内容。論理はわかりやすいし、何より訳書の割に読みやすい。副島氏の主張とも合致している(してなきゃ訳さないか)。副島隆彦、朝倉慶、船井幸雄らが今回の金融危機をヘヴィに捉えていて、実際そうなるのだろう。いつのタイミングになるかはわからないがドルおよびニューヨーク債券市場が暴落する。これは、ドルを大量に刷ったことで必ず払わされるツケであって、もう当然のものとして受け止めるしかない。
巻末の解説に副島氏が「日本や欧米への言及がないのが不満だ」と書いている。そう、アメリカ人はこの問題が世界的に悲惨なことになるってことを分かっていないか、あるいは無視しようとしている。本書を警鐘ととらえ、我々小市民はひたすらインフレに備えた資産防衛をはかるしかないのか。金を買おう。