『風の歌を聴け』


風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

村上春樹の小説を読むとビールを飲みたくなる。あるいはスパゲッティを食べたくなる。ついでに言うと川上弘美の小説を読むと居酒屋に行きたくなる。
僕自身あんまり村上春樹村上龍が好きではないのでこれまで紹介することをためらってきました。しかしながら今日、村上春樹の存在感は文壇においても別次元のところまで行ってしまっているように思えるので、やはり一つくらいここらで触れておこうかなと思った次第です。
ノルウェイの森』を読んでしっくりこなかったら本作を読むといいかと思います。一応村上春樹のデビュー作です。多かれ少なかれ「村上春樹らしさ」が包括された作品のように思います。本作を読んでそれでも感じるところがなかったとしたら、それはもう村上春樹とソリがあわないのかもしれません。
酔いつぶれた女の子を介抱したりビールを飲んだりラジオを聴いたりして一夏を過ごす物語です。青春小説といえるでしょう。断片章形式で構成されています。やたらとスタッカートの効いた文体で、オシャレです。なんだこのレビュー。
要するに、僕はあんまり村上春樹が好きじゃないってことなんでしょう。でもあまりに有名すぎる作家でしかもデビュー作なので、村上春樹について知ったかぶりするなら最低限読んでないとまずいでしょう。